直角三角形の直角をはさむ2辺のそれぞれの辺の長さを2乗したものの和は、その対角にある辺の長さを2乗したものと等しい・・・、これは有名なピタゴラスの定理だが、今夜は少し数学の話をしてみようか・・・。
ピタゴラスの定理は、その名前からピタゴラスが見つけた数学の理論だと思うかもしれないが、実はこの定理はかなり古くから経験上の法則として人々が知っていた知恵であり、古代エジプトでは3・4・5の割合の辺を持つ三角形を描くと、その3と4の辺が結ばれる角度が常に90度にしかならないことが分かっていて、これは例えば何かの高さを測るときにすでにつかわれていたようである。 またバビロニア、ここでも5・12・13の割合で描かれた三角形は、5と12の辺が結ばれる部分の角度が、やはり90度にしかならないことが分かっていた。 ピタゴラスは勉強のため長い間エジプトへ留学し、またバビロニアへも行っていたとされることから、エジプトやバビロニアでこのことを知り、それを三角形の法則として証明していったのかも知れない。 更にターレスと言う数学者が唱えた法則、三角形の内角の和は180度と言う理論だが、ターレスがどのようにこれを証明したかは分かっておらず、これを後年ピタゴラスが開いたピタゴラス学派では、平行な2本の線と、これに交わる1本の斜めの直線の関係から証明し、こうした証明とピタゴラスの定理の応用で、この世でもっとも安定し、美しいと言われる「黄金分割比」を求めだしたのであり、その比率は0・618対0・382となっている。 だがこうした比率は本来何も計算しなくても、全人類が共通して持つ人間の比率とも言うべきものであり、いかなる時代、いかなる民族であっても、やはり同じような比率をもっとも安定して好むことから、ピタゴラス学派の黄金分割比はむしろ自然、人間摂理の数値化と証明という側面を持っていたのではないだろうか。 また数学の歴史上初めて円周率を小数点以下2桁まで求めたのは、円を6角形の倍数多角形として考えて行ったアルキメデスだが、彼の求めたその最初の数値は3・1408<円周率<3・1428だった。 ただ、もともと円周率の1桁目ははるか昔から分かっていて、その数値は凡そ3であることは例えば4000年、6000年前から、こちらも人間の経験則から分かっていたものと思われるが、ソロモンの寺院建築記録の中には大きな洗濯桶の記録があり、そこでは「直径が10エレンなら、その周囲は30エレンである」・・・となっている。 そしてこれはやはりエジプトなのだが、実はエジプトでは、はるか昔から円の面積を求める数式がすで存在し、これによってエジプトではアルキメデスよりはるか以前に、円周率が小数点以下まで求められていた。 そしてこれを計算すると、3・1604となっているのである。 さて、今夜は少し難しい話になったかも知れないが、最後にアルキメデスの逸話を少し書いて終わりにしようか・・・。 当時アルキメデスは幾何学を研究するとき板に砂をまいて、そこに図形を描いていたが、同じ状況であれば床にたまった埃の上でも同じように図形を描いていた。 円周率は現在でもその小数点以下が計算され続けている。 |
2件のコメント
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昔、何かの本で読んだのですが・・・
普段から聡明な小学生の子どもが、いつも校庭でいろんな図形を書いて遊んでいたそうですが、ニコニコ笑って先生を呼んで「直角三角形の~~♪」て結局ピタゴラスの定理を普通に説明したそうです。
何かの勉強で知った可能性も有りますが・・
残念ながら、その子が、成長してどうなったかは、不明です。
経済でも奇天烈なモデルを提示して或る集団を擁護する人達も居ますが、
数学でも、まあ、趣味だからしょうがないですが(笑い)
しょうもない証明に人生を掛けている人が、沢山いるようです。
訳に立つ立たないは別にして、意外とそんな所に人生の意味が有ったりして(笑い)
ハシビロコウ様、有難うございます。
おかしなもので姿形のない音楽や宗教に人間は際限なく金を遣い、金にもならん事に命を懸けたがるもののような気がします。
円周率が分かって一般の我々の何が変わるかと言えば目には見えない。しかしこうした努力は文明全体を底上げするものかもしれませんね。また円周率は今も計算され続けていて、その意味では今も進化、変化し続けている事を思うとき、なんとも不思議な感じがします。
Windous10への移行がすべて終了いたしましたので、明日以降また通常どおり記事をupして行きたいと思います。
以後もまたどうぞよろしくお願い申し上げます。
有難うございました。