「あまり聞かないよく有る病気」

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2010  3 18    撮影
綺麗な下着、可愛い下着はある種女性にとっては大変誘惑の多いものかも知れないが、実はこれに関して、少し最近体調が悪いな・・・、と思ったらまずやってみてもらいたい初期療法がある。
1977年、高知県の開業医である見元良平医師は、下着のゴムによる締め付けで発症する諸症状に付いて発表したが、それによると、下着のゴムによる神経圧迫が原因で腰痛、ひざ痛、また更に皮膚病、消化器障害、婦人病を起こす場合があり、これを「ゴムひも症候群」と命名している。
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この症状による例えば腰痛の特徴だが、それは朝、目覚めた時に痛みを感じるケースが多い点にあり、背骨に原因がある場合は、実際に起きて活動し始めたときに痛みが発生するケースが多い。
人間の体には圧痛点と言う皮下神経の通過点があるが、これには高位型と、低位型、つまり腰のくびれた部分を一周するものと、それよりは少し下の部分を一周する2本のラインがあって、これがちょうど下着の締め付け部分に重なっている為、下着の締め付けが厳しいと、激しい腰痛や消化器の障害を起こしやすい。
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またひざ痛の場合は下着やガードル、コルセットによる足の付け根部分の締め付けによって、圧迫された状態があると起こりやすいとされている。
特に女性に多いこの症状は、その解決策として昼間は緩いゴムの下着を着用し、夜は下着をつけずに寝る・・・となっているが、これからすると、マリリンモンローのシャネルの5番は、医学的根拠があったと言うことになろうか・・・。
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そして今度は頭痛について、日本赤十字医療センター神経内科の作田氏は頭痛の原因に関して次のように述べている。
うつむき姿勢のまま長時間デスクワークをする人、またはうつむいたままの姿勢で作業をする人が起こす頭痛は、その姿勢によって発症が起こっている可能性が高く、それは首筋や肩の凝りから始まり、後頭部に持続的な鈍い痛みを伴い、激しい症状としては、吐き気やめまいの症状を起こすことがあるとのことだ。
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首を支える筋肉が、長時間に及ぶ緊張状態からその神経が圧迫され、または引っ張られて刺激が続いた状態となるためで、首の骨そのものに問題がある場合が多いとされているが、この症状も女性が圧倒的に多く、作田氏はこの症状を「うつむき症候群」と呼んだ。
この症状の発症では、本人はただの疲れだと思っているかもしれないが、意外に発症者は多く、一般的に筋収縮性頭痛(muscle contraction headache)のうち、うつむく姿勢を続けていて症状を発症した場合を「うつむき症候群」と区別したものである。
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さらにこれは脳梗塞や脳内出血と良く似た症状だが、手だけが痺れてきた場合、この場合は「手根管症候群」(しゅこんかんしょうこうぐん)の可能性が高くなる。
人間の手首にある筒状の管を「手根管」と呼ぶが、この管の中には9本の腱と正中神経が通っていて、何かの原因でこのうち腱が異常を起こした場合、そのすぐ近くを通っている正中神経が圧迫されると、神経内の血行障害となり、これが手の痺れや物をつかもうとしてもつかめないような状態を引き起こす。
この症状を「手根管症候群」と言う。
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その発症の特徴は、一番多いのが夜間、それも突然発症するケースが多く、指先の痺れと手の痛みで目が醒め、その痺れと痛みは小指を除く親指側全ての指とその周辺で起こり、時間経過と共に発症箇所は拡大、手の関節から肘、腕、肩までも痛みや痺れが広がる場合がある。
そして最終的には物がつかめない、文字が書けないと言った障害へと発展していく。
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またこの症状では約30%の人が両手に発症するが、左右の手が同時に発症する場合と、左右の手で発症に時間的なずれが生じる場合がある。
治療は初期段階なら関節を安静にして、副腎皮質ホルモンの注射で治療できるが、放置して発症から時間経過がある場合は、この治療方法では回復せず、肥大化した腱を切除し手根管内の容積を広げ、正中神経の血流を回復させる、「減圧手術」が必要になる。
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そしてこの「手根管症候群」、これもまたその発症の殆どが女性であり、男性の発症確率の10倍くらいとなっているが、その中でも40代、50代の女性と、妊娠中の女性の発症率が高い。
特に妊娠中の女性で、夜中に手が痺れて親指付近が痛み出したら、まず「手根管症候群」を疑う必要があるだろう。
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そして一刻も早く病院で治療を受けることをお勧めするが、近年、経験のない若い医師の場合は、こうした症例を知らない場合もあり、そうしたときは医師のプライドを傷つけないようにさりげなく、こうした症状もありますよね・・・ぐらいに言って見たほうが良い場合もある。
ただし、あくまでも周囲の空気を読んだ上で、それでも違う診断が出て全く症状が改善しない場合は、セカンドオピニオンを選択するのも一つの方法かも知れない。
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これらの症状は余りメジャーではないので、一般には認知度が低いが、その実発症そのものは決して少ないわけではなく、思いあたる人は医師の診察を受けて見る事を是非お勧めしたい・・・。
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※  本文は2010年yahooブログに掲載したものを再掲載しています。
T・asada
このブログの記事は「夏未夕 漆綾」第二席下地職人「浅田 正」 (表示名T・asada)が執筆しております。

4件のコメント

  1. 「あまり聞かないよく有る病気」

    病は気からを、信じているわけではないが、特に難病その他に苦しんでいる人の前で、平気で想像力のない、体は健康な(笑い)人がそんな事を言いがちだし、現今は、アンチエイジングだとか健康食品だとか、売りたがって、健康が一番、健康なら命は要らない、見たいなことを、怪しいチャンネルで連呼しているが、日本人も慎みを失い、バカ〇になり下がったものだと、勿論自分を含めて、毎日気が滅入る、人生全般に対しては諦観して知足で楽天的だった日本人は、何処へ行って仕舞たのだろうか・・・

    結構苦しんでいる方が多い、日常的な病気のアトピー性皮膚炎、偏頭痛、糖尿病など、簡単に言えば、原因が不明だ、特に高血圧は、8割程度が原因不明なだけでなく、実際には数値そのものに苦しめられている方が、医学業界の陰謀で激増している(笑い)。全部DNAのなせる業にするつもりは毛頭ないが、数値で外部から計測できる病気には各種対処療法が準備されていて、救われることも多いようだが、一生涯付きあっている人も多いようだ、AIだの夢の新薬だの浮かれていないで、大病院や大学病院も勿論大切だが、町医者で代々続いて、患者の家族の両親や祖父母などの病気や人生について知っていて、しっかり治療をする体制も育ててほしい、そして、大手術でもしない決定でも出来ることが望ましいだろう、保険は有用だが、ヒトは生きて居れば良い訳じゃない、心の動物であるかも知れない。

    1. ハシビロコウ様、有り難うございます。

      1980年代後半は「症候群」と言う名の病気が流行した時代ですが、我々は眼のかすみや肩こり、腰痛を簡単に考える傾向が有りますが、風邪が万病の元と言われるのと同じように、こうした体の変調は以外に重大な結果をもたらす場合があります。
      また意外なことですが、下着のゴムがつぼに当たると、立ち上がれないほどの腰痛や膝の痛みになる場合があり、もし腰痛や肩こりなどが発生したら、病院へ行く前に一度下着のゴムの位置を確認して変えてみると、簡単に治る場合も出てくるかも知れません。

      コメント、有り難うございました。

  2. 「ただ一羽のヒナ」

    近所の公園に通年小鳥のシジュウカラが居る。鳴き声も良く姿も良く、自分の財布の様でもあり親しみを持っている。
    最近読んだ本によると、シジュウカラも早春から2度繁殖をするらしい。1回目は、例えば8個の卵をすべて生んでから、抱卵に入って、通常は餌のムシが不足することは無いから、巣が比較高い位置の木の洞という事でもあり、特段の事故が無ければ全数が巣立ちする。2回目は例えば5個を産んだ時点で抱卵を開始して、その後1~2日に一個ずつ追加して、それも抱卵する、結果は、他の5羽より、格段に小さな3羽が出来るが、餌が十分でない場合は弱い方から死んでゆく。進化の摂理。
    近所の公園に「小鳥に餌を与えないでください、カラスも食べます」と言う鬼も裸足で逃げ出す注意書きが出ているが、カラスは字が読めなくて幸いだった。

    タスマニアデビルは、1回の出産で20~40匹位のコメ粒ほどの子供を産むが、カンガルーとは逆の下向きの袋の中には、乳首が4個しか準備されていない。
    これも善悪の彼岸に在るもので有って、ヒトに直に当てはめるのはバカだが、よく考えた方がいい事を、机上の理想から鑑みて能天気に報告する人道主義者が、問題を大きくしているとしか思えない。

    昔日は、重篤なトリソミー他の難病には、生の質を高める医学が無くて積極的に治療しない事が多かったようであるが、近年は生きることに意義が有るのだから、という事の様でもある、自分はどちらが良いのか分からないし、社会で共通認識を作るべきなんか如何かについても分からない。出来れば、そうでない方が良いだろうが、出来れば苦しみを少なくして、個々に対応するべきだろうと思えるが、他者が、自己の主張で、それを非難するのには、その方に起きた時も、同様の決断態度がとれるかどうかについては懐疑的である、他人の脳死は積極的だが、自分の子供の脳死を認められない、乃至は認めるというのは、平時では推し量れない気がする。
    ま、均衡の為に一言申し添えれば、LGBTは、もっと生きやすく、同性婚~夫婦別姓などは、紙きれの仕儀だと思っている。文化だの伝統だのと言う問題の埒外だろう、時代は変わる。サン族には戸籍謄本は無い(笑い)

    1. ハシビロコウ様、有り難うございます。

      もう10年近くも前の事になるのですね・・・。
      自分で読み返してみて、懐かしい気がします。
      当時の自分が何を考えて何を頑張っていたか、苦しいときで有りましたが、こうして見るとそれだけではなかった思いがします。
      記録しておく事はやはり良いものかも知れませんね。

      コメント、有り難うございました。

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