「RNA1本鎖ウィルスと生物」・解説

日本国憲法のように戒厳令法が存在しないケースでの非常事態宣言は強制力がない。
その為、民衆は海外の戒厳令法下の強制力を伴った非常事態宣言を仮想する為、宣言が施行された直後は一定の権威を保てるが、暫くすると、何の効力もない事に気付く。

移動の制限、外出禁止令、集会の制限など、日本の緊急事態宣言下では、これに違反しても罰則規定は無い、若しくは感染症に関する国内法の規定でしか取り締まる事が出来ない為、大半のケースは罰則を受けない。

だが非常事態宣言と言う重大な案件を曖昧に施行すると、民衆の側に権力が分散され、民意に拠って漠然とした、しかも独善的な不文律規定が発生し易い。
つまり、民衆の世論に拠る罰則規定が生じてくるのである。

この場合の規定は個人の恨みや僻み(ひがみ)、社会的な不満が加味された判断が為されるため、マインド罰則が発生する事になり、それはネット攻撃、世論攻撃となって経済活動を封鎖する方向へと動いていく。

また我々の中で広範なウィルス感染に対応した社会を経験した人間が存命していない為、全世界的にこうした事態に対処する方法を全く持っていない。
それゆえ既存するあらゆる経済モデル、経営モデル、政治モデル、緊急対処モデルは全てキャパシティーを超えているのであり,ネットビジネスとて例外ではない。
他のモデルと同じように壊滅的な秩序崩壊を起こす。

現在日本の環境下でネットで成功する方法、集客のコツ、ビジネスで成功する方法など、まったく意味が無い。
加えて生活必需品以外の経済は、基本的に非常事態には取引が低下する、若しくはこうしてウィルス感染の場合は、完全にその取引需要が消失する為、飲食店、酒類提供店、サービス業、エンターテイメント全般の需要が自主制限される。

勿論エンターテイメントなどは宣言を無視する事もできるが、これに違反した場合エンターテイメント需要を支えている民衆から制裁を受けるケースが出てくる訳である。

これらの業種は今まで蓄えた財で、ウィルス禍が去るまで避難する覚悟が必要になり、財の蓄積は必ずしも均等ではないから、財力の弱い部分には、政府が生活を援助する形を取る事が望まれる。

ただし、経済秩序は時間経過と共に信用と価値を失ってくる。
日本政府は通貨や経済ステムがかろうじて機能している間に、持てる財の全てを国民に投入し、消費を喚起する以外に対処策はない。

日本の通貨が紙屑になってから現金を支給されても、どうにもならない。
世界的に現在の経済秩序を維持できない為、今までの経済秩序、セオリーなどは今、この瞬間から何の役にも立たない。

一方サラリーマンや公務員、流通や金融機関など、緊急事態宣言下でもその機能を維持しなければならないとされた職業に従事している者に付いては、生物界の鉄則が適用される事になる。
つまり感染する確率は高いが、自身の免疫力に拠ってこれを克服し、弱い者は感染後死亡する。

日本の経済はこうした2極化が同時並行に進行し、この被害は直接的ウィルス感染死亡と、経済の行き詰まりに拠る経済困窮死亡者の2種の被害を生じせしめる為、日本政府は早い段階で国民に金を配布して、これを防がなければならない。

が、日本政府の意識と現実の市井に生きる我々との意識には大きな乖離がある為、日本政府の対応は必ず手遅れになる。
我々民衆は、この危機に際して持てる財を駆使してウィルス感染を乗り切り、経済システムを初期化して再生しなければならない、助け合わなくてはならない。

コロナウィルスは感染力こそ大きいが、その症状は比較的軽微なものである。
このような感染症がこれほどの威力を発揮するのは、これまでの国際社会が虚業に依存し過ぎていたからであり、株式、付加価値、高層消費モデルなど、本来価値のないものに価値を設けて利益を得ていた仕組みだからこそ、ウィルス被害が大きくなったのである。

勉強代として支払う対価と犠牲は限りなく大きいが、これを機会に虚業と虚政を整理し、次は災害やこうした感染症にも負けない社会を、もう一度構築しなければならない。

日本の民衆は、自身が感染しないように手洗いやうがいを励行し、持っている金をできるだけ長く持たせて、食料などの生活必需品に充当し、何としても生き残る事だ。
その上で政府から援助が有れば、その分は楽になるが、現在の日本政府では対処能力が無い為、予め援助を期待した計画は持たない方が賢明だ。

サービス業、エンターテイメント事業で、現在需要が無い者は即時廃業し、現在所有している財を保護することだ。
この閉塞感は数年続く為、その間全く利益が無い状態で営業を継続してはならない。
また需要が出て来ればその時再開する事にして、暫く事業から手を引く事だ。

戦後最大の危機に直面しているのではなく、我々はもうその真っただ中に生きている。
何としても生き残って、また仕事から帰ったら美味いビールが飲める日本を取り戻そう・・・。

T・asada
このブログの記事は「夏未夕 漆綾」第二席下地職人「浅田 正」 (表示名T・asada)が執筆しております。