「濃尾地震震源域」

1891年10月28日に発生した「濃尾地震」は現在の気象庁数値基準でマグニチュード8・0、最大震度7の日本国内陸地地震では記録上最大級の大地震だった。

また震央は必ずしも一致していない可能性も有るが、745年、1586年にもこの地方に大きな地震が有った事が記録として残っている。

この3つの地震に鑑みるなら岐阜県中南部を震源とする大地震の周期を500年から600年と観る事もできるが、3度の記録だけでこれを統計的周期と考えるのは危うい。

しかし2020年4月22日から始まった長野・岐阜県境群発地震の中には、時々炭火が少し遠くへ飛んだように、1891年に発生した濃尾地震の震源付近へ近づいているものが有り、2020年4月30日に観測した震度2の地震は北緯35,4・東経136,8であり、濃尾地震の震源地が北緯35,6・東経136,6だった事に鑑みるなら、何とも不気味な感じがする。

長野・岐阜県境群発地震を何らかの大きな地震の前兆と考えるなら、北海道南部、九州南部に大きな地震発生の確率が高いと予想されるが、長野・岐阜で大きな地震の可能性を考えるなら、濃尾地震の震源域を避けて通れない。

実際、濃尾地震発生の3日前には震度3の前震が観測され、その以前にもこの周囲には微弱地震が多く発生していて、その微弱地震の震源は必ずしも岐阜県だけではなかった可能性が有る。

つまり今回のように長野・岐阜県境付近の微弱地震発生も発生していて、濃尾地震が発生した可能性も否定できないのである。

この地震断層は仮定の領域では有るが、福井地震(最大震度7)を起こした福井地震断層から三河地震(最大震度7)の震源となった深溝断層(ふこうず・だんそう)まで連続する巨大断層と観る事もでき、この観点に鑑みるなら、1891年に発生した濃尾地震でも、地表に現れていない断層が存在しているものと考えられる。

その上部端末が2020年4月30日に発生した小規模地震震源付近なのである。

この事から、引き続き岐阜県南部はより一層の警戒を要し、確率は北海道南部や九州南部より低いものの、濃尾地震級の陸地地震も警戒する必要が有る。

今のところ長野・岐阜県境群発地震はこのまま終息し、4か月以内に北海道南部、九州南部で最大震度6以上の地震発生確率が一番高いが、次に高い確率として規模、最大震度の予測はできないが、濃尾地震の震源付近で震度5以上の地震と、長野中部で震度5クラスの地震発生確率が存在する可能性が有る。

警戒する重要性の順位として北海道南部、九州南部が同じ確率で上位、岐阜県南西部で震度5以上の地震発生確率がこれに続き、長野県中部で震度5クラスの地震発生確率が下位となるが、被害の大きさを考えるなら、岐阜県南西部は北海道南部や九州南部と同じくらいの警戒が必要かも知れない。

ただし、1891年の濃尾地震とその前震の関係を考慮するなら、2020年4月30日から起算して、7日以内に大きな地震が発生しなければ、岐阜県南西部の大きな地震発生確率はかなり低くなる。

長野中西部、岐阜南部、北海道南部、九州南部にお住いの方は、くれぐれも注意してお過ごし頂ければと思います。

T・asada
このブログの記事は「夏未夕 漆綾」第二席下地職人「浅田 正」 (表示名T・asada)が執筆しております。