「輔弼事項と任命権」

圧倒的な支持率でスタートした「菅義偉」内閣だが、当初感じていた田舎臭さと言うかセンスの無さが、ここに至って少しずつ露呈して来た感がある。

「今すぐにでも辞めてください」と言う国民意見の多い「三原じゅん子」代議士の厚生労働副大臣は明確な恩賞人事と言えるし、こちらも税金泥棒の誉れ高い「今井絵理子」代議士の国会対策委員会副委員長は、「おいおいぉぃ・・、それはないだろう」の人事だ。

また口は禍の元を地で行く、「杉田水脈」代議士の女性差別発言に対しても、自民党は口頭注意と言う具合で、何か特別な思惑でも有るのかと思われるかも知れないが、杉田氏は次期選挙でも比例区名簿トップ記載がほぼ決まっているとされている。

これは前安倍内閣に暗躍した「日本会議」や、俗に言われる右翼からの人気の高さが影響していると言われているが、同じ傾向は「三原じゅん子」代議士も同じである。

愚か者の一番やり易い事が、恩賞人事と仲良しクラブである。

こうした傾向は有能な者を影に追いやる効果を生じせしめる事から、遠からずその組織が為す事は混乱に向かう可能性が高い。

実務に忠実な者は鳥瞰的(ちょうかんてき・高い所から広くものを見る事)な見方ができない。

どうしてもセンスのない頑なさが出てしまうが、前安倍政権は順風満帆な中を総理の御病気で政権辞任された訳ではない。

そう言う形に近付けて辞めたように見せた安倍総理は、あらゆる政策に行き詰まり、「ところてん」が絞り出されるがの如く、もうどうにもならなくなって御病気引退された訳だ。

ここは前政権を踏襲してでは、最初から行き詰っている事になる。

政策としては、前政権がやった事の改革かか変更を打ち出さねば、安倍総理が御病気になられた時と同じで、何も変わらないと言う事で有る。

こんな事は3世紀も前からの政治上の常識と言うものだが、加えて本当にセンスが無いなと思わせてくれたのが、「日本学術会議」の推薦者の中で任命を見送った者を出した事で有る。

これは黙って過ぎ去れば何でもない小さな事に、田舎臭いセンスを持ち出したために大変な事になった、そう言う事態に気付いていない愚かさが招く、底なしの闇を感じてしまう。

「日本学術会議」など、大した権威も影響力も無いものだから、放っておいてもどうでも良かったのに、団体が推薦したメンバーに対して政府が中立を保つ為、全て承認任命する形が採られていた形式に逆らい、任命拒否など論外だ。

この形式は明治政府下の天皇の輔弼事項(ほひつじこう・補助する事だが、直接権者もこれに逆らわない仕組み)、昭和から以降の天皇の任命権に関する独立性に同じで有り、推薦者の任命を拒否すると、政府や天皇が干渉した形式となる為、これが避けられた経緯を持つ。

しかし、この中で菅総理は前安倍総理時代に政策を批判した、6名の教授の推薦を見送り、「日本学術会議」のメンバーに任命しなかった。

明確な学術文化に対する政府干渉であり、自民党内のお友達組織と同じような田舎臭いやり方を、明治天皇から現代にいたるまで守って来た、天皇と政治の独立の形を模倣した在り様を、蔑ろにしてしまった。

まったく無知と言うか、器の浅い者は本当に困ったものだ・・・。

こんな「日本学術会議」のような小さな事案でも、システムは天皇輔弼事項と同様式を持っている。

菅総理が組閣した内閣を、天皇が拒否したらどうなるか、菅総理は拒否する事が出来ない任命権で、拒否を使ってしまった訳である。

これは単にお友達優遇、嫌いな人を排除しましたと言う結果以上に、日本が持つ最も大きな伝統在る仕組み、儀式を蔑ろにしたと言う側面を持ち、しかもぬめっとした加藤官房長官のコメントは、」そう言う意図は有りませんが、政府の決定だと言う事です」と言う全く訳の分からないものだった。

政府の決定だからこそ、任命を拒否した理由が必要なのだが、こうして幕引きして済まそうとするのだろうか・・・。

愚かだ、実に愚かだと思う。

こんなどうでも良い案件で敵を作って頑張ってしまうと、その後大きな案件が発生した時、敵ばかりになって誰も助けてくれない。

安倍総理時代のようにイエスマンを集め、対立するものには姑息な手で貶め、「やーい、ざまーみろ」のような事をやっていたからこそ、消費税増税、コロナウィルス危機に際して政策立案能力を失い、仮病を使って辞任しなければならなくなった事を、その横で見ていて解らなかったとは、本当に悲しい男だと思う。

学術、芸術と言うものは氷山に似たりで、道路を歩いていて石ころを蹴飛ばしたつもりが、実は地面の中に在る大きな岩の先端だったと言う形に近い。

しかもいざとなればそれほど大きな力のないものだ。

就任早々総理が手を出す価値はなく、何もしない間からこんな事で躓いて、大きな敵を作るなどトップとしてのセンス、「器」や度量に欠ける行為も甚だしい。

政治家として民衆の期待に応えるどころか、のっけから失望感を与えるものだ。

この「日本学術会議」任命騒動だけでも、海外の多くの有識者が言うように、菅内閣がもたらすものは更なる混乱、無策だと推測できる。

結果だけを見ていると、菅総理は混乱と民意の冒涜はやっても、まだ有用な政策を何一つ打ち出してはいない。

菅総理に期待はできない。

実務はこなせても、政治家として最も大切な創造、ヴィジョンと言うものを持っていないのかも知れない。

野党勢力の低レベルさを考えるなら、日本国民は次も自民党候補しか選択の余地が無い場合、ネットと言う手段も有るのだから、民衆の中から次期候補を選択すべく、動きを始める必要が有るのではないか・・・・。

 

T・asada
このブログの記事は「夏未夕 漆綾」第二席下地職人「浅田 正」 (表示名T・asada)が執筆しております。

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