「観測されなかった地震」

2020年10月6日、19時30分頃、石川県能登地方から、複数の有感地震発生の連絡を受信した。

震動は3回発生したものと見られ、10秒ほどの間に震度1の揺れが2回発生し、その間に震度2の揺れが有ったものとみられるが、この地震は能登半島の特定地域、半径5km内で震動を感じたものと推定され、同地域から10km離れた観測地点では震動が観測されていない。

それゆえ特定の地域内では早朝から、住民の動揺が有ったものと見られるが、気象庁、京都防災科学研究所でも、同地域の震動は観測されなかった。

可能性としては飛行機の加速時震動、遠隔地火山活動に伴う「空気振動」も考えられるが、同地域では空気震動が頻発する事から、普段から地震の震動と空気振動の区別が一般化されている為、空気振動の可能性は低いものと見られる。

次の可能性は花火、雷だが、同地域行政窓口に問い合わせたところ、能登半島では同日同時に花火大会が催された地点は無いとの事だったし、同時刻の気象条件は晴れ、若しくは曇りだが、雷雲が発生していた記録は無く、風はほぼ0mから3m以内の静かな夜だったと言う事で有る。

更に隕石落下の可能性だが、こちらも同時刻に隕石や火球などの観測は無く、観測された音は衝撃音ではなく、南南西方向から近付いてくるような地鳴り音だったとの事だ。

不思議なのは、同地の地盤は比較的固く、能登半島地震でも輪島市門前町では震度6強だった揺れが、同地では震度6弱程度だった事に鑑みるなら、同地で震度2なら付近地域は震度3を観測していてもおかしくないのだが、付近一帯では震動が観測されていない点だ。

可能性としては余り例はないが、狭い範囲だけに伝搬する、比較的深い震源の地震だった事が考えられるが、このような事が存在できるのかどうかは疑問である。

異常震動だったと言う以外に表現できる言葉が見つからない。

また同地域には10月6日21時10分、同日21時33分に1回ずつ、怪音現象が発生したと言う報告が2件有った。

当日の能登半島上空には雷雲が無かった事から、この怪音現象も原因は不明である。

「バリバリ」と言う細かい雷が数本束になったような音だったと言う事だ。

それと、こうした怪音現象の後、風も無いのに、外で風が吹いているような音が未明まで続いていたとする報告もあるが、こちらに至っては全く見当も付かない。

唯、これまでの怪音現象、同地の微弱地震発生後の他地震との因果関係の統計から、能登半島、新潟県中越沿岸付近の震度5以上の地震と、北海道南部地域の震度5以上の地震発生の確率が発生したものと考えられますので、これらの地域では今後1週間ほどは更なる異常現象が無いか、注意してお過ごし頂ければと思います。

[保勘平宏観地震予測資料編纂室・通信」

 

 

 

T・asada
このブログの記事は「夏未夕 漆綾」第二席下地職人「浅田 正」 (表示名T・asada)が執筆しております。