「重複徴収社会」

国家と経済の関係は本来相互不干渉、若しくはできるだけ国家が市場という民衆経済に介入しない事が望ましく、国家が市場経済に干渉すればするほど、経済的困窮者から順に事実上の重複徴収現象に見舞われ、富める者と困窮者の格差は拡大していく傾向を示す。

租税が個人収入に対して一定の割合で徴収される「所得税」で構成されている場合、その社会や国家は負債が少ない状態に有ることが解る。
しかし社会や国家の負債が増大した時、これは必要経費が先に発生している事になり、計画経済国家から、負債処理国家へと陥落している事を示していて、その最たるものが消費税や目的税と言うものである。

一般に消費税など広く薄く国民全体から徴収される租税は、生活必需品にまで課税が施行されると、例えば一日に消費する食料品や灯油などの消費支出は、富裕者も経済的困窮者もそう大きな増減がない事から、経済的困窮者が被る負担割合の方が富裕者よりも遥かに大きくなり、これが「環境税」などの目的税に至ると、経済的困窮状態に有る民衆から税の形で集められた資金が、それより大きな資本力を持つ所に配分され、結果として貧しい者から金を集め、資本家に金を回して、資本家はその金で更に利益を上げる構造になって行く。

つまりこうした構造を見ていくなら、社会や国家が疲弊し貧しくなって行く時は、国家や社会構造自体が苦しい民衆から金を搾り取り、それがより豊かな者へと集まっていく傾向に有ると言う事で、これは国家の税制だけでは無く、経済でも同じであり、従って何をしてその国家の豊かさを量るかと言えば、貧富の差が拡大傾向に有るか否かをして、国家経済の衰退を量るのが一番事実を反映していると言える。

そして一般民衆が一番気づかない事では有るが、為替相場の「円高」の恩恵である。
経済を語るとき、その指標がより多くの雇用を抱える大手企業重点に考えられることから、政治もマスコミもその視点に立って物事を考える為、「円高」は悪いものだと言う印象が有るが、実は「円高」は民衆に富が分散されている状態なのである。

為替動場は基本的に同じ量の水が右のコップに余計に入っているか、それとも左のコップが多いかと言う事で有り、その総量に変化は無く、簡単に言えば金が民衆に分散されているか、企業に集中しているかと言う状態の区分でも有り、例えば灯油などは「円高」で有れば日本国内では安く買えるが、これが「円安」になれば、日本国内の灯油価格は上昇する。

更に「円安」は輸出産業に取っては、恩恵になるが、前出の灯油のように一般大衆の負担は増大する訳であり、その増大した一般消費者負担分が輸出産業などの大手企業の利益に組み込まれる、或いは資本家の利益に組み込まれ、一般大衆は消費税や目的税負担に加え、大企業利益までも負担していく事になる。

これが安易な「金融緩和政策」と言うものであり、大企業指標しか見ない国家やマスコミは「円安」による景気回復を声高に唱えるが、その実一般大衆の現実は更に苦しくなる元凶だ。
日本経済は経済的弱者や力の無い者、中小企業など端末から先に音を立てて崩れていく

中国「秦」の時代の租税は収穫の1割りだった。

勿論労働で税を収める「人頭税」なども有ったが、基本的に古代中国の租税はこの1割の租税を元にその治世の質が量られ、「秦」から移行して「前漢」を打ち立てた「劉邦」(りゅうほう)はこの租税負担を15分の1に改め、その後「前漢5代目・文帝」はこれを30分の1に、最終的には租税負担0にまでしたのであり、このように前漢初期の政策は「農業政策」と言う最も基本的なハードの充実だった。

如何に道のりは遠く困難なもので有っても、基本的な問題を解決する方策を取らないと、一時は良くても直後に更なる大きな問題が起こってきて、それを小手先だけで逃れていると、いつか引き返すことのできない、取り返しの付かない事態に陥る事は必至で有る。

民衆から集められた金が企業に集積し、それが雇用条件にまで活かされるには3年はかかり、しかもその途中で企業は利益を蓄える事から、それが民衆の恩恵に至るとしても、払った金の10分の1程も戻ってくるか否かに過ぎず、その間に国際情勢によって何らかの問題が発生したら、民衆はひたすら負担し続けて、最後は自分から先に飢え死にしなければならない、その可能性は高い。

S・Nさん、N・Mさん、O・Yさん、私は「アベノミクス」などと言う言葉自体が既に笑止千万だと思っています。

また、どうやら箱根が少し揺れてきているのではないでしょうか、ここや富士山は4枚のプレートがひしめき合っている箇所で、箱根は3000年前には大規模な水蒸気爆発を起こしていたかと思います。

各地で2日前から振動は無いのにドーンと言う音ともに窓ガラスなどが振動する「空振現象」が報告され始めています。

これは火山や地震活動が活発化してくると多くなってくる現象ですが、噴火口より1000km離れた地域でも発生する時が有ります。

そして火山が噴火する3日くらい前には、「ゴー」と言う音や「ドドド」と言う音、或いは「ドーン」と言う音、特殊なケースでは「ポン」と言う鼓を打ったような音がすると記録されていますし、直前には山から白い雲が急激に発生する場合、或いは何本も枝分かれした雷が発生するとも言われています。

どうか、お気を付けください。

[本文は2013年2月15日、Yahooブログに掲載した記事を再掲載しています]

T・asada
このブログの記事は「夏未夕 漆綾」第二席下地職人「浅田 正」 (表示名T・asada)が執筆しております。