「え~、そんな事が有ったの」

その社主応接室は入って左側の所に何故か縦長の鏡が有り、訪問者は秘書が指定した席で社主の登場を待つが、10分経っても20分経っても社主は姿を現さず、訪問者はやがて「おかしいな、事前に時間を打ち合わせしているのに、何か有ったのか」と思い始め、だんだん貧乏ゆすりが始まってくる頃、凡そ応接室に入って30分くらい経った頃だろうか、満面の笑顔でその男は応接室に入ってくる。

 

北国新聞社前社主、現在は会長に就任しているが、グループ事業総売り上げ240億円、総資産360億円を誇る北陸を代表する企業の頂点に立つ「飛田秀一」(とびた・しゅういち)会長はアポイントの無い来客には絶対会わない。

 

しかも事前に取材内容、若しくは要請ならばその主旨を文書で提出しておいて、初めてて面会日時が指定されると言う徹底振りで、尚且つ冒頭に出てきた応接室での30分間、飛田会長は何をしているかと言えば応接室からは鏡しか見えないマジックミラー越にし、隣室からひたすら訪問者の様子を眺めているのである。
勿論事前に訪問者に関するあらゆる情報が集められていて、自身に好意的な存在かそうでないかは確かめられているが、その上で30分様子を確認して性格を判断し、訪問者への対応を考えている訳である。

 

それゆえ初めて飛田会長に会った人間は、一様に「何て凄い人なのだろう」と思うのだが、彼はその人が求めている言葉を探り、その言葉を発しているだけで、現実には相手の事など歯牙にもかけてはいない。

 

彼はある種「インテリが作ってヤクザが売る」新聞と言うものを最も良く理解していると言えるが、その事を端的に現しているのが、販売店を集めた懇親会での態度であり、こうした席では冒頭の厳重な面会姿勢とは打って変わり、販売店の店主一人一人に酒を注いで回り、「皆さん有っての北国新聞ですよ」と言っているのである。
良く現実を弁えた態度だが、ここでも彼は地方、田舎と言うものを本当に理解していていると言える。

 

田舎の本質は傲慢と卑屈であり、ましてや高齢化社会となってしまっている地方にあって、そこを動かすものは正義や真実ではない。

 

「虚栄心」と「自己顕示欲」、「利権」が世の中を動かすので有って、これ以外のものは道具にしか過ぎない。

 

また現時点で石川県で最も大きな権力を持つ者は誰だと思うだろうか、何とソチオリンピックで奮闘した浅田真央選手に「大切な場面では必ず転ぶ」と発言した、歴代総理中最も低グレードの総理だった「森善郎」衆議院議員なのであり、飛田会長は森議員とは40年来の盟友なのである。
石川県のこれからの運命は推して知るべしだが、北国新聞が石川県で持つ市場独占率が実に70%を超える理由は「田舎物」や「自身をインテリだと思っている者」の扱いが上手かった事に起因している。

 

小さなイベントや教員上がりの老人が描いた水墨画の作品展などを新聞に載せ、それで田舎の虚栄心を煽る事に長けていたからである。

 

地方の動きの少ない状況の中ではこうして新聞やテレビで取り上げられる事が何より大きなステータスとなり、これは新聞投稿にまで及ぶ。

 

その上で北国新聞社は華道教室、お茶、花などあらゆる教室を運営し、これらを裾野に飛田会長が石川県に存在する美術芸術関連機関の代表の30%に就任していて、その上に石川県美術文化協会が有る。

 

更に北国新聞は死亡案内欄が充実していて、香典の相互扶助制度が厳しい田舎では、こうした死亡案内欄を確認しておかないと香典のかけ忘れが出る為、高齢者の中では死亡案内欄だけの為に新聞を購読している者も多く存在し、こうした意味でも田舎の制度を上手く突いているが、小さな事でも取り上げて自称インテリをおだて上げ、購読者を拡大して行き、森善郎議員の政治力と飛田会長の二者両輪支配体制が石川県の現実になっている。

 

能登半島地震では早々に取材写真を編集して「震災記録写真集」を販売し、節操も無く震災復興予算が付いた自治体等に売りさばき、日展や伝統工芸展を取り上げた記事では菓子箱賄賂や、先生に対する奉仕は潤滑油だと書いてしまう愚かさの背景、そしてそうした報道の在り様にどこからも非難が出ないのは、ひとえにこうした森、飛田連盟の支配が有るからであり、これに麻痺している石川県民も高齢化が進み、もはや客観的判断を出来る人材もいなくなっている。

 

それゆえ今般発覚した北国新聞事業局が行っている北国写真展に措ける知事賞の公印偽造事件も、これは明確に刑事罰に相当する事件でありながら、石川県内では「えっ、そんなことが有ったの」ぐらいで終わっている。
どの地域でもそうだろうが○○写真連盟などは既に老人会の様相で、その入会経緯もお友達クラブ、或いは老人が気に入った人しか入会できない組織になっているだろうが、北国新聞の下部民間組織である北国写真連盟と北国新聞が共催の形を採っているものの、実情は北国写真連盟の権威付けと言える北国写真展にしても、それでも知事が許可していない印璽を偽造する事は「公印詐称」である。

 

今の北国新聞に出来ない事は無いのかも知れないが、石川県の谷本知事は自民党の推薦が無ければ当選できない状況にあり、森、飛田連合に逆らう者はおらず、北国新聞の事業局で公印が偽造された知事は富山県と福井県の知事であった事を考えるなら、石川県の利権の中心に在って、しかもどこかでは金沢が北陸の中心と言う意識が有るからこそ、こうした事件が発生し、「このぐらいの事」と言うような程度の意識しか持てなくなるのである。
現在共催していた北国写真連盟は公式に謝罪文を掲載しているが、北国新聞事業局では女性職員の独断で偽造が行われたとしているものの、公式の見解を発表しておらず、同新聞にもこの件の事はまったく書かれていない。

 

トロフィに至るまで偽造した物が用意されていて、北国新聞社事業局が知らなかったでは済まされず、尚且つこうして偽造された証書が他社報道で発覚する少し前、北国新聞社を名乗る者によって回収されていた事実をどう説明するつもりか、限りなく組織隠蔽が疑われるのではないだろうか。

 

国際情勢や国内重要記事は全て大手配信社記事を転載するのみ、保守系以外の言論を一切排し、投稿に措いても自社批判、保守批判の投稿は全く無視し、自社称賛投稿文しか採用せず、他者の罪はこれでもかと言うぐらいに細かく報道し乍自身が犯した罪は全く隠蔽、まるで無かったことのように振舞う有様では朝鮮労働党新聞も真っ青の状態であり、例え石川県の中では王様でも、これでは一歩外へ出た途端石川県の恥にしかならない。

 

苦難の末にこの北陸の地にも世に真実を伝え、我等の存在意義を問う新聞を作ろうとした、創業者の「赤羽萬次郎」の意思を今一度北国新聞はかみ締めるが良い・・・。

 

最後に、何も北国新聞だけに限った事ではなく、日本の全ての新聞社は同じ状況だろう。
だが今デスクに向かって記事を書いている者は、次の瞬間、自身の意思次第で闇を切り裂く者となり得る、その責任がある。

 

この事をくれぐれも忘れるな・・・。
「本文は2014年3月9日、Yahooブログに掲載した記事を再掲載しています]
T・asada
このブログの記事は「夏未夕 漆綾」第二席下地職人「浅田 正」 (表示名T・asada)が執筆しております。

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