「円の戒厳令」2

アメリカFRB、ヨーロッパの欧州中央銀行などでは、日本に対して疑問を通り越し、先の安倍元総理暗殺事件を含めて、重大な事案が発生しているのではないかとの憶測も飛び始めている。

もはや国際経済はインフレーションが発生したら賃金も上昇し、経済が発展していくなどと言う、簡単な事では済まない状態になっている。

世界的な無秩序金融緩和が招いた事実は、ロシアのウクライナ侵攻であり、中国の脅迫的外交である。

これらはブロック経済に連動して来る現象であり、日本のような資源を持たない国家が経済制裁など笑止と言え、資源保有国家を資源を持たない国が経済制裁すると、工業生産原材料、食品加工資材などが逆に入ってこなくなり、原材料費、ガソリンなどが高騰する。

加えて世界的なコロナ感染に拠って、生産が減少していたところのロシアのウクライナ侵攻ゆえ、世界経済は需要が在っても物を作れない状態、ここに強度のインフレーションが発生していて、物の生産がインフレーションに対応する金融引き締めに追い付けない状態で、日本は市場に通貨供給量を増やしている為、日本の円は下落し、海外からの物資調達原価を上昇させている。

世界的にはインフレに対応して通貨金利を上げている中で、日本はこの反対をやっている訳だから、低いところに水が流れ込むように、加速を付けて日本のインフレーションは激化、物価高騰、円相場の急落が続いていく。

日本政府がばらまいている通貨は各所で詰まりかけていて、例えば企業の内部留保は500兆円を超えているが、こうした内部留保を従業員の給与上昇の為に使う事が出来ない。

不安定化する国際情勢、海外資材調達資金の上昇と、コロナ感染、ロシア侵攻後の生産を考えるなら、現状では内部留保を使えない。

原材料費の安い時にそれを買い、物を作って高く売るのが工業の原則だから、敢えて物価が上がっていく時に資材を買い、世界各国が物を作り始めて金利が下がって来た時にそれを売るのでは、2重の損失になる。

またインフレだから物が必要で、そこから人件費が上がるなど、1980年代の経済論であり、今は安い物は中国で生産され、高額なものはアメリカやヨーロッパで生産されていて、日本の工業はこのどちらにも追いついてない。

要らないものを作っても売れないのは当たり前で、今や日本の技術など時代遅れでもある。

日本の工業に求められているものは、その品質の安全性と強度、正確性であり、ここを踏み違えた物つくりでの競争力は無い。

日本の国家政策、財政政策でインフレーションは絶対克服できない。

このインフレーションはコロナ感染と言う世界的な感染症に端を発し、ロシアのウクライナ侵攻、中国の感染症0政策が招いている結果なので在り、これらが解消されない限り、日本ではインフレーション傾向は悪化していく。

この状況にも拘わらず、無制限金融緩和政策の放置は、世界的な財務担当者から見れば、もはや狂気の沙汰と捉えられているだろう。

2012年頃は、無制限金融緩和の全責任は安倍総理と言うCEOを持っていたが、今やその人は亡く、ここで金融緩和をやめれば企業にとっても民衆に取っても大きな痛みを伴う。

しかし、金融緩和を止めて通貨にトルクを加えねば、インフレーションで国民生活は困窮する。

日本銀行の黒田総裁にすれば、安倍元総理、言い換えれば政府の要請が在ってやったことだから、政府から止めてくれと言わない限り、自分からそれを言えば全ての泥を自分が被る事になる。

これは避けたいだろう。

本当は現政権である岸田内閣が、金融緩和の中止を行わなければならないのだが、旧統一教会問題に、オリンピックの不正問題で支持率が下がっている上に、せっかく上がってきた大企業の景況感、株価に冷や水をかける事になる。

とても恐ろしくて、そんな事は出来ない状態と言える。

財政ファイナンス、政府と中央銀行の一体化が何故禁じ手なのかと言うと、日本の今の現状のような事になり易いからである。

日本銀行総裁も、総理大臣も自分が貧乏くじを引きたくなくて、これはいけないと思っていても、保身の為に言い出せなくなる。

中央銀行と政府が独立していると、そのどちらもが責任者だから、悪くならない内に必ず手を打つし、それぞれが互いに追及する。

世の中には関係が良くて上手くいく場合と、緊張関係だからこそ上手くいく場合が在る。

お金に関して言えば、一定の緊張感が無いケースは、必ず失敗する。

黒田総裁でも岸田総理でも、どちらでも良い。

今は自身が泥をかぶっても金融緩和を止め、日本の円にトルクを加えると発言してほしい。

このままでは日本の円がブラックホールになって、国民が奈落の底へ引きずりこまれてしまう。

 

T・asada
このブログの記事は「夏未夕 漆綾」第二席下地職人「浅田 正」 (表示名T・asada)が執筆しております。