「未来」

かつて夢みたものは、それが叶ったのではない。

それらはみな、辿り着いたら崩れ去った・・・。

夢を一つずつ瓦礫にしながら、今もその崩れ去ったものの上に立つ。

あの山の向こうに何が在るのか見たい・・・。

 

いつもそう思っていた。

蒼天を行く一塊の雲となって山を越えてみたかった。

いつしか語るべき未来より、語ろうとしたがる過去が大きくなっていた。

だが、私は見たい・・・。

この先に何が在るのか、誰が待っているのか・・・。

それが知りたい。

 

だから、求めるのでは無く、私が行く・・・。

T・asada
このブログの記事は「夏未夕 漆綾」第二席下地職人「浅田 正」 (表示名T・asada)が執筆しております。