「窓を開けよう」

毎朝決まって4時45分頃、一羽のカラスが「があー」と鳴きながら家の窓近くを飛んで行く。 いつもその少し前に目が醒めている私は、このカラスのひと鳴きで布団を上げ、そしてまず最初に納屋の窓を開けることから一日が始まる。 納屋...

「我が形を為すもの」・3

親は偉大だ、どう有っても追いつくものでは無い。 また私のこうした状況から、葬儀は村の人たちが集まって相談してくれ、全て準備してくれた。 90歳になる爺ちゃんまでもが家で何某かの手伝いをしてくれ、私に力を落とさぬようと声を...

「我が形を為すもの」・2

昨年12月の前半、父親が突然脳梗塞を起こし、3ヶ月ほど入院生活となり、この頃から以前直腸がんを手術していた母親は、腸閉塞を起こしやすくなっていたことも有り、この上自分までもが入院したら家庭が大変になると思ったのだろう。 ...

「我が形を為すもの」・1

私が幼い頃、家は貧しく、両親は昼も夜もなく働き、また父親は子供に関することに口を挟むことはなかった。 ゆえ、私は祖母や母親から「男」と言うものに付いて教えられたのであり、私が理想とする「男」の在り様とはつまり、古い時代の...

「兄弟」

幼い頃からそうだった・・・。 匂いが解らない。 最盛期の金木犀の香りですら、微かにしか感じない私の嗅覚は、何故かしら身内や親戚の誰かが死ぬ時だけ、反応していた。 それはまるで草が繁茂する時に発する勢い、萌えるような匂いで...