「ブルーのTシャツ」

かなり以前の話になるのだが・・・・。 女のネットワークと言うものは随分恐ろしいもので、ある日全く会ったこともない女性がいきなり家を訪れて、袋一杯の衣類を置いていったが、何のことかさっぱり分からない私は、買い物から妻が帰っ...

「星が山へ帰る」

さてこの日差しは梅雨の僅かな隙間か、それとも確かな夏の訪れか、いかようにも見える青空の下を、かなりの年配と見受けられる婦人が巾着袋と一緒に花束を持って坂道を行く姿があり、そうした婦人の後姿に幾ばくかの申し訳ない気持ちを感...

「夏の無言電話」

もう15年も前くらいだろうか、祖母が死ぬ数年前の頃のことだった。 毎年お盆の少し前、8月11日か12になると家へ1本の無言電話がかかって来た。 電話がなって出るのだが、何も言わない、そうかと思えばすぐ切る訳でもない、何度...

紅茶のおいしい喫茶店・・・」

「にいの・てつや」と言う人が書いた「ちちんぷい」と言う本に、こう言う話が出てくる。 ある日作者が喫茶店でコーヒーを飲んでいたところ(この辺が非常に懐かしいが・・・)、いかつい顔に荒い縦縞のスーツ、パンチパーマにサングラス...