「塗師の起源」

人間の考え方として、何かの技術や文化に流れを付けて考える事は容易だが、近似DNA を持つ生物の間では同じ時期に同じ技術や文化が全く互換性のないまま発生する、「逆べき発生」の可能性を排除してはならないのかも知れない。 漆塗...

「やすやす」

昭和50年代くらいまでだろうか、輪島塗りの職人が仕事を辞める場合には、誰もが納得できる理由と言うものが必要だった。 これは良くも悪くも徒弟制度の慣い、それに狭い社会が織り成す人間関係の親密さが背景に有っての事だったが、一...

「あおのきもん」

これは自分の話と違いまっせ。 昔の年寄りから聞いた話やがな・・・。 輪島塗りの弟子と言うのは基本が親方の家に住み込みで働くのが普通やったから、まあその扱いはゴミみたいなもんやった。 そんでもって輪島塗りは工程が細かく分か...

「傲慢と卑屈」

石川県立輪島高等学校創立90年の記念講演に招かれたドイツの若き哲学者は、閉ざされた所に有る者は傲慢と卑屈を兼ね備える事を指摘した。 またやはりアムステルダムの通信社に在籍した私の友人は、今から20年も前に「この町は壊れ方...

「いたどりの筆入れ」

「危険外来種」、若しくは「侵略的外来種」と言えば、日本では欧米から日本に入って来て日本の在来種を駆逐して行くイメージが有るが、この逆に日本の生物が海外の在来種を脅かすケースは意外と日本国内では知られていない。 だが国際自...