彼方の道

遠いむかし・・・・ わたしの祖父は、いつも土手の上にあった大きな梅の木の下で腰をおろし、 この山を越える一本の道を眺めていたものだった。 いつだったか、そのことを思い出した私は、同じように梅ノ木の下に立ってみた。 だが、...

「市民と平等」・2

自由とは何か、これは難しい。 だがこうした言葉に統一性を持たせ、それを共通の概念として語ろうとしたとき起こってくるもの、それが「平等」と言う概念であり、結果として自由を規制する形のこの考えは「市民」思想から来る自由の均一...

「市民と平等」・1

現状批判、現状打破を主張した啓蒙思想、これらはしばしばフランス革命の発端として考えられる事が多いが、確かに啓蒙思想ではモンテスキュー、ルソーの政治的思想はフランス革命の中で大きな意味を持っている。 だがこの思想がフランス...

「暗い箱」

レオナルド・ダヴィンチがその記録の中で、こんな話をしてる。 ナポリの物理学者バブテスタ・ボルタは1558年、周囲を塞いで中が暗闇になる言わば「暗箱」を作り、これに小穴を開けて入射して来る光を箱の側面にはめ込んだスリガラス...