楽如枝書「忠孝両不全」

  「忠孝両全」と言う言葉が在る。 逸話としては紀元前500年頃の「楚」の国で既に出てくる言葉では有るが、意味としては親孝行と忠義の本質は同じものである事から、親孝行を為す者は忠義もまた全うできると解釈される。...

「ジャパン・マーケット」

出逢ったときは福山雅治かキムタクか、輝く瞳に精悍な顔つきだった亭主も、気が付けばグレーのスーツにヨレヨレ具合が妙に板に付き、メタボなシルエットにすっかりクールビズな頭頂部、さてさてこんな亭主だが、今夜は何を食べさせようか...

「鞍馬天狗の剣」・2

 そして慶応元年(1865年)、薩摩長州が相互に憎み合っていたのではいかんともしがたい、この現状を何とか打破しようと動いていたのは坂本龍馬だけではなかった。 渡辺昇は坂本龍馬、伊藤博文、そして弟子兄弟の桂小五郎と相次いで...

「鞍馬天狗の剣」・1

 NHK大河ドラマ「龍馬伝」は出演者の好演がひかり、なかなか評判が良いようだが、今年から女子高生になった娘が毎週欠かさずこれを見ていて、岩崎弥太郎は三菱だっけ、住友だっけと聞く、その姿を見て多少複雑にならざるを得ない私の...

「戦争と平和」

平和と言う言葉は戦争と言う状態に対して、その対語として存在するもので、人間はこれを明確に概念として頭の中に描くことは出来ず、これをして言うなら戦争と言う現実は存在しても、平和と言う現実は戦争ではない状態としか表現できない...