追い詰められた鼠のように暗く儚い目をして、
苦く(にがく)歪んでいるだろう顔・・・。
君はそんな私を見て笑ってくれるか・・・。
そこまでの笑顔を私にくれるか・・・。
両手は裏切りと血でまみれ、
絶望と既に死んだ心しかない者に
そんなにも嬉しそうに手を差し出してくれるか・・・。
君の笑顔は余りにも眩し過ぎて、
余りにも罪から遠すぎて、
私の汚い手では抱く事が出来ない。
だから君はそのままお母さんの手に抱かれているが良い・・・。
君がいつか大人になった時、
私は既にこの世にいるかどうかも分からない。
私の事を憶えてもいないだろう・・・。
だが過去が今だった時、
君の笑顔を畏れ、有り難く思った者がいた、
そう、そんな時が存在した・・・。
ようこそ、この世界へ・・・。
君の誕生を祝福する・・・。
Old passion