「大吉のおみくじ」

この村で餅を作るのが私の家だけになってもう5年、いや7年ぐらい経つか・・・。 高齢化で一人暮らしの家が殆どになり、あとは空き家ゆえ、時間も人手もかかる餅を作る事が無くなった村の人達は、いつしか正月や祭りの餅を私の家に注文...

「猫に手ぬぐい」

1980年頃まで残っていたが、今はあまり聞かれなくなった迷信に「猫に手ぬぐいを掛けるな」と言うものが有った。 この迷信はとても意味深い感じがするものの、その歴史は意外に浅く、江戸時代、東海道の宿場町「戸塚宿」で発生した逸...

「2冊の本」

東京工業大学の教授なども歴任した「関英男」(せき・ひでお・1905年~2001年)工学博士がその複数の著書、または談話中で引用していた2冊の変わった本が有る。 今夜はこの2冊の本を巡るエピソードに付いての話にしようか・・...

「流れ星に祈りを」

古来「流れ星」にまつわる占いは正邪、吉凶の両方の解釈が在り、その解釈の分岐点は占う者、占いを依頼した者の事情、環境によって生じる。 巨星の滅するに似たりで、大きな星の消滅は、小さな鋭い光の新しい星の出現と対比され、これに...

「弁当と弁当箱」

平安時代、旅をする時持ち歩かれた「干し飯」(ほしいい)は確かに日本の弁当の起源と言えるが、おにぎりは弁当として用いられていなかった。 この時代の主食である米の摂取形態は干した米、或いは蒸した米を水や湯で漬けた、水漬け、湯...