「頭が、痛い・・・」

人体は微弱電気信号の集合体で有り、生きるためにあらゆる情報を得るユニットで構成されている。

ゆえ、それ自体が「受容体」で有り、一つの精密な「受信機」でも有る。

医療関係者に大地震発生直後にアンケートを行うと、大きな地震が発生する数日前、約4日くらい前からだが、体の変調を訴える者が多くなると言う回答が出てくる。

その内訳で最も患者数が増加するのは整形と整形外科で次に多いのは脳神経外科、そして循環器内科、歯科、産婦人科、小児科、内科と続くが、こうした事から一般的に大きな地震が発生する少し前から、人間の体はその事を受信している可能性が有る。

もっともこうした傾向は、低気圧や台風の接近に伴う気圧や温度変化でも同じ傾向が有り、どこまでが地震との因果関係を問えるか、或いは世界的な統計が取られている訳では無いので、絶対的な傾向と言う事は出来ないが、ある種の民間療法や都市伝説と同じ感覚でも良いから記憶しておくと、もしかしたら大きな地震を察知して、事前避難が可能となる場合があるかも知れない。

阪神淡路大震災が発生したのは1995年1月17日の未明だが、当時神戸市郊外で整体士をしていたSさん(58歳)の証言によると、1月9日くらいから腰痛、膝痛、首の凝りを訴える患者が増え始め、1月15日くらいからは、それまで結構治療が進んでいた既存通院患者までが痛みの悪化を訴えてきたとしている。

また1993年7月12日に発生した北海道南西沖地震、ここでも函館で開業していた整体士Aさん(46歳)の証言によると、7月に入ってから少しづつ腰痛や肩凝りを訴える患者が増加し、7月10日くらいには午前中で予約が埋まってしまう程だったとしているが、同じように1983年に発生した日本海中部地震以降の大きな地震発生後行なったアンケート結果を見てみると、膝痛や腰痛と同じくらい頭痛を訴える患者が事前に増加している事が分かる。

そして腰痛や頭痛ほどではないが、心臓疾患をかかえる患者も、地震発生前日、若しくは前々日くらいから体の不調を訴えるケースが増え、これはペースメーカを入れている患者を除外した統計である。

心臓にペースメーカーを入れている心臓疾患の場合、患者のいる場所の近くが震源となって地震が発生する時は、凡そ5秒前後に一時的に不安定な変調が現れる事が多いが、これは一時的なもので有り、すぐに体調は回復するケースが多くなっている。

また虫歯が有る人の場合、これも大きな地震が発生する前々日くらいから一時的に痛みを伴うと言う調査結果が有り、歯槽膿漏の患者の場合は、歯茎が急に冷気にさらされたような締め付け感を受けたと言う記録も残っているが、もっと興味深いのは妊産婦の調査で有る。

妊産婦の調査は地震発生後の調査で、「そう言えば」と言う不安定な主観要素が強い為、どこまでが地震との因果関係かと言えば極めて厳しいものが有るが、妊娠8ヶ月以降、誕生間際の母体内胎児の活動が、地震発生前日から活発化したと言う話が記録されていて、これは生後間もない幼児が突然泣き出したと言う記録よりは少ないものの、どこかでは因果関係が有るのかも知れない。

更に幼児に関して、生後6ヶ月以内の乳幼児の場合、定期的な授乳時間が不定期になる、余り夜泣きしない子供が夜泣きを始める、その逆で夜泣きが止まったと言う場合も有り、ここでもどこかで通常とは違った傾向が現れてくるようだが、ここまで来ると地震との因果関係は限りなく不透明でありながら、母親と子供と言うある種言語を超えた特別な関係を鑑みるなら、何がしかの客観的整合性を超えた確証を想像出来るのではないか。

それとこれは医療現場に付帯して人間とは密接な関係に有る放射線に付いて、実はコバルト系の放射線では、50年近く前から地震発生前24時間前後にその特性の一部が失われる現象が確認されていた。

具体的に言うなら数十年前まで時計の文字盤内で使われていた蛍光塗料、この暗闇で光を発する特性が、地震発生前日くらいから失われる現象が多く確認されていたのである。

それゆえ医療用の検査機械としての放射線治療器、或いはレントゲンなどの放射線精密検査機械などは、大きな地震発生前には何がしかの誤差が生じている可能性が有るが、こうした事の具体的な報告は表面に出ることもなければ、勿論統計も存在しておらず、同じことは例えばパソコンの冷却ファンを回すSPモーターでも発生しているだろうが、そんな事を企業が外に出すことは有り得ないのかも知れない。

モーターの精度はその周波数で確認するのだが、大きな地震発生前には基準周波数を外れる「非同調周波数」のモーターが出来ているはずであり、ここからでも前日には地震発生が予見できる可能性が有り、こうした事を鑑みるなら原子力発電所の周辺や、その機材にも地震発生前にはかなりの変化が出ている可能性も否定できない。

最後に、人間が受信機で有るなら、どうして健常者より疾患を持った人や乳幼児などの方がより多く地震を察知出来るのだろうか。

この事を考えるとき、人間の力と言うのはその劣性や弱さに対応するもので有る側面が見えてくるような気がする。

その弱さゆえ知ろうとし、その弱さこそが生きる力なのかも知れない・・・。

T・asada
このブログの記事は「夏未夕 漆綾」第二席下地職人「浅田 正」 (表示名T・asada)が執筆しております。

2件のコメント

  1. 知り合いに、頭痛持ちの方が数名居りますが、自分は無いだけで、その人たちの何倍も幸せなのに、全く意識されないし、感謝もしていない。
    携帯電話の中継器の傍は人体に悪影響が有るとか、言われていましたが、最近はどう成っちゃったんでしょうかね。
    明治時代に、電信線が敷設されたときには、脳味噌に悪いと行って傍に近づかない人が沢山居て、やむを得ずその下を通るときは、手ぬぐいなり扇子なりを頭の上に乗せて、足早に通ったらしい。

    今人工知能の研究がそれなりに盛んですが、あれは知能と言える代物ではなく、単純なセンサーと単純なプログラムであって、『知能』なんて言う言い方は、まったくもって知能を理解していないように思えます。
    選挙でこんな国にする、みたいな戯れ言にしか思えません(笑い)

    1. ハシビロコウ様、有り難うございます。

      人間の脳は何か自分ではとてつもなく安定しているもののように思うかも知れませんが、実は不安定なもので、この不安定さがまた外からに対する影響を緩和しているようなところが有ります。
      ここでは頭痛を例に挙げましたが、人間が一番大きな影響を受けるのが気象で有り、この地球物理学的な意味では気象である地震も、やはり人間に大きな影響を与えているだろうと思います。
      またAIの技術は目を見張るものが在りますが、存在の肯定と否定、創造と破壊が混然とした人間の脳、或いは生物の脳はその全貌が全く見えておらず、解っている事は僅かで、この僅かな部分をして人工知能を概念すると、そこから出て来るものは間違いなく人間や生物全体と逆行する事になるでしょうね・・・。
      でもウィルスと同じで余りにも極端に周囲の環境から脳を守ろうとすると、その事が今度は脳を滅ぼしかねない。今の日本社会を見ていると、そんな事も感じてしまいます。

      コメント、有り難うございました。

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