「空からオタマジャクシが・・・」

この事件と言うか現象が最初に発見されたのは石川県七尾市中島町だったが、同町センター職員男性が2009年6月4日午後4時30分頃、駐車場にいたところ、背後からペタペタ・・と言う音が聞こえ、振り向くと何か黒いものがポツポツ落ちてくる・・・、何かと思って近づいてみると、なんとそれは体長2cmから3cmのオタマジャクシだったのである。
そのオタマジャクシは殆ど落下の衝撃で潰れた状態だったが、この付近ではこの男性以外にもこうしたペタペタ・・・と言う音を聞いていた人が存在していて、100匹ほどのオタマジャクシが、300平方メートルに渡って空から降ってきたのである。

こうした現象が発生する原因として竜巻が考えられると、金沢工業大学の教授が見解したが、当日の天気概況では竜巻は起りようも無い気象条件だった。

またそれから2日後の6月6日、今度は七尾市から100キロメートルほど離れた石川県白山市徳丸町、ここでも朝方7時30分頃、駐車場や車の上にオタマジャクシが落ちているのを、石川県職員の男性が発見したが、それはやはり高いところから落下したようで全て潰れていて、約30匹ほどが5平方メートルに渡って散乱していた。
同じ駐車場を利用している会社員女性が、この前日の6月5日午後8時頃に見たときは、オタマジャクシが落ちていなかったことから、この現象が起った時間帯は5日夜から6日早朝と思われるが、この現場と道路を挟んだところに住んでいる住人は、夜中にどーんと地震のような音がして家が揺れたように思った・・・とも証言している。

この現象でも5日、6日とも金沢気象台では竜巻が起る気象条件には程遠いとしていて、地震も観測されていなかった。

そして6月9日午後6時ごろ、今度は石川県中能登町能登部の同町職員男性によって、自宅玄関前に駐車してあった軽トラックの荷台周辺に散乱する小さな魚、10匹ほどが発見されたが、この軽トラックは1日中動かしておらず、午後3時ごろに見たときは何も落ちていなかったとしている。

この現象でも当日、前日には竜巻の発生などは考えられない気象条件だった。
また地元新聞では宮城県会津若松の会社役員の男性から、6月7日午前11時頃車のワイパーに引っかかっているオタマジャクシがいた・・・と言う報告も受けているが、このオタマジャクシは1匹だけだったと言うことだ。

ではこの現象の謎解きをしようか・・・。
超常現象研究家の大槻教授は金沢工業大学教授と同じように、小さな局地的な竜巻かそれに似たような気象条件によって、引き上げられたものが降ってきた・・・と見解したが、この数日の気象条件は積乱雲の発達もなく、穏やかで到底竜巻の発生は考えられない状況だった。
また別の地元研究家は鳥が空中で吐き出したのではないか・・・と言う仮説を立てたが、野鳥研究の専門家は普通鳥類はオタマジャクシを食べない・・・と見解した。

話は飛ぶが私はどこかで「呪いの人形」の話をした記憶があるのだが、ある寺に時々動くと言われている呪いの人形が安置されていて、珍しいのでみんなが見学に来るが、見ていたら人形の袖が微かに揺れたとしよう・・・・どう思うだろうか、大概の人は声を上げて逃げるのではないだろうか。
だがこの場合、もしかしたらそれは風のせいだったかも知れない、また住職が人を呼び寄せる為に仕掛けをしていたかも知れない、そして最後に本当に呪いで動いていたかも知れないが、人間は先に「呪いの人形」としてあるものは理由を問わず全て呪いのせいにしてしまうのである。

こうした空から普通降らないものが降ってくる現象を、ファフロッキーズ現象と言い、何もオタマジャクシだけではなく、魚、カエル、小石や、信じられないが血や肉片が降ってきた記録さえ存在する、その原因に関しては竜巻によって吸い上げられた水生生物が、後に降ってくるのだとも言われているが、実際のところこうした現象が発生した近辺で竜巻などが確認されたことは1度も無い・・・、つまり未だに原因は不明と言うことだ。

この一連の不思議現象の場合、実際空から降ってくるのを確認したのは一番最初の現象だけではないだろうか、ペタペタ・・・と音がした訳だから、これの現象については確かに空からオタマジャクシが降ってきていたと推測できる、つまり間違い無く超常現象だったと思われるが、それ以外の現象については、降ってくるのが目撃されていない、また落ちている数が少なすぎることから、かろうじて白山市の現象までは超常現象としても、それ以降の現象については自然現象の誤差に含まれる可能性が高い。

能登町の現象は小魚、体長2cmほどのフナの稚魚10匹程度が軽トラックの荷台付近に落ちていたとなると、サギなどが空中で声を発したとき、喉から戻った小魚が落ちた可能性が高く、普段からこうしたことは毎年頻繁に発生していたのだが、特に注意してみていなかったことから、発見されていなかったが、今回オタマジャクシの件が話題となっていて、そうした現象を発見し易い環境になっていた・・・、いやもっと言えば、そうした現象を半分探しながら見ていく、それで僅かなことも発見したのではないだろうか。

つまり、それまでもあったが、見ていなかっただけのものを見た・・・と言うべきなのではないだろうか、宮城県の現象も1匹だけだと、鳥が間違えて呑んでしまったオタマジャクシが、吐き出されただけの可能性のほうが、超常現象より確率が高いように思う。
また白山市の現象も基本的には疑わしいのは範囲が狭すぎる点であり、5平方メートルであれば、バケツで汲んでばら撒くことだって可能だと言うことだが、誤解なきよう・・・、あくまでも可能性の問題だ。
こうしたことから今回の超常現象については一連に、同じように見るのは難しいように思う・・・、本当の超常現象と自然現象を希望的観測で同じものにしてることが、現象を複雑にしているのではないか・・・。

とは言え、空からオタマジャクシが降ってくるなど、そう滅多にあるものではない、少なくとも最初に起った現象はまず間違なく超常現象であり、これは後世に記録すべき現象である。
またそのほかの現象についても超常現象の可能性は高いが、今一歩の検証と冷静さが必要なのではないかと思う。

ちなみに、この現象は翌年の2010年には極端に事例がなくなり、2011年以降は現象そのものが確認されていない。2年間だけ鳥が食べたオタマジャクシを吐き出したと言う事になり、ではこの2年間だけ鳥に特殊な事情が在ったのだろうか・・・。

T・asada
このブログの記事は「夏未夕 漆綾」第二席下地職人「浅田 正」 (表示名T・asada)が執筆しております。

2件のコメント

  1. 東南アジアでは、カエルを普通に食べているし、オタマジャクシも、自分は食べたことが無いが、好んで食べる人も多いようだ。
    ウシガエルは、北米から食用として日本へ輸入されて、一時は、北米に相当量輸出されていた。
    近所の小川にも若干のウシガエルが居て、年によって、オタマジャクシが大量にいる時がある、そんなに餌のアメリカザリガニ等が居るようでも無いから、少しだけ生き残っているのだろう。
    その川に、アオサギ、コサギが居て、季節によってダイサギも居る。こいつは悪食(笑い)で、蛇が居ると食おうとして追いかけるし、好物のようで、熱心に啄んでいるところの流れの緩い所には、ウシガエルのオタマジャクシが群れている~~♪
    カラスなんかもオタマジャクシを食っているのじゃなかろうかと、思う。バッタでも地中の幼虫も食っているのだから。

    今住んで居る住宅の同じフロアに、同年代で怪しいお爺さんが居て、時々、大きな声で、早朝から何かを言っているのであるが、管理人さんが、『煩いから、静かにしろ』と言ったら、ヘラヘラして、逃げたらしい。建物の東側には主要道路が南北に走っているが、その間の敷地には、若干の青空駐車場が有り、目撃者も居るが、その駐車地面に生卵が数個、駐車場の使用者によれば、1~2週間に一回、皿が今まで数回、その前は、吸い殻が頻繁に降っていたらしい。
    今は、皆さん困った状態だが、その内、臨界点を超えて、当局に出動してもらう事になるような感じ~~♪
    「被害者」も困っているが。「加害者」も悩みは深そうだ。

    1. ハシビロコウ様、有り難うございます。

      実は空からは結構色んなものが降って来ていて、血の雨や血の雪などはまだかわいらしいもので、生肉や竜巻に巻き込まれた魚、聖徳太子が話し始めたときは、何と空から蓮の花びらが降ってきたとも言われています。
      この事件は2年程で終わったのですが、当時は竜巻に巻き込まれた説、鳥が吐き出した説が出て、結局鳥が吐き出した説で落ち着いたのですが、今から考えるとこの2年間だけ鳥がオタマジャクシを吐き出したと言うのも、その前後に記録が全くない事を考えるならおかしい・・・。
      更に石川県だけと言うのも不自然ですが、実はこの3年後に山形でも1件だけ同じ事例が発生しています。しかし、以後この事件は全く発生せず、こうして考えてみると、その当時は何ら不思議でもない事件が、例えば10年経ったら不自然になる事もあるんだな、と言う事を思います。やはりそうした意味では記録しておく事は大切で、その時は大した事ではなくても、それを残しておけば大きなミステリーになる場合もある事をいまさらながら学習させて頂いた気がします。
      でも皿や卵は勘弁して欲しいものですね。
      人間の病みが空から卵を降らせる・・・。
      流石人間ともなると降らせるものが違いますね・・・(笑)

      コメント、有り難うございました。

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