「名月を取ってくれろと・・・」

私は母親に背負われた記憶が無い・・・。 勿論甘えたことも無ければ、何かで手を引かれて・・・と言う記憶もない。 農業や炭焼きで忙しい父や母はいつも家にいなっかた、その代わり祖母がきっと幼い私を見てくれていたのだろう・・・祖...

「グレーの制裁」

その会場は怒号の渦と化し、我先に意見を言おうとする住民で異様な熱気に包まれ、隣に座った者と口々に不満を言い合う者、はたまた下を向いてため息を付く者、憤懣やるせない顔の者達で騒然となっていた。 「そんなことをして俺たちを騙...

「ざんね~ん、予選落ち~」

今はもうこうしたことも昔話になるのかも知れないが、テニスの試合におけるジャッジの権限は絶大で、例えジャッジミスがあったとしても、これに異論をはさむことは出来なかった。 それで明らかにジャッジミスがあった場合、そのジャッジ...

「共存」

2008年9月25日、1度絶滅した朱鷺(とき)がついに日本の大空を舞った。 関係者は長年の苦労に涙を流して感激し、多くの見物人もこれを喜んで眺めた。 ニッポニア・ニッポン、学名でも日本を代表するこの鳥は、昭和30年の時点...

「転校」

「おお、景気はどうだ」「いやー散々だな」 こうした挨拶が当たり前になってきたが、日曜日、久しぶりに知り合いのところへ遊びに行っていたら、そこの子どもで小学4年生の女の子が、「今日は午後からお別れ会がある」と言って慌てて支...