「コミュニケーションと言語」・2

更にこれは特殊な例だが、王室や貴族、またはナイトの称号を持つものに対する挨拶は、何か特段差別があるのではなく、その伝統に対して、またその国の国民が大切にしている文化に対して敬意を表す為に必要だと私は思うが、この場合の挨拶は男性なら片膝をついて、右手を上から下へ左右斜めに下ろして頭を下げる。
同じように女性なら左足を後ろに下げ、少しかがんだ様にして、スカートの両端をつまんで僅かに開くか、両腕を45度くらいまで開いてお辞儀をするかになるが、この簡略形は左足を後ろに下げて少し屈んでみせる形がそうであり、男性の場合の簡略形ではやはり左足を引いて、手を上から下に、そして右から左に斜めに下ろして行く事でもそれを表すことができ、ちなみにこれは日本の皇室に措いても通用する。
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この際、もし相手が右手を差し出した場合は、それを両手でおし頂く様にするか、軽くキスをするかになるが、通常はキスをするのが正しい。
しかし日本の皇室、皇族の場合は両手でおし頂く形の方が良いかと思うが、それで相手が自分を引き上げるように手を取った場合は、一緒に立ち上がり、特段そうしたことが無ければ、そのまま身を引いて行くのが良いだろう。
また簡略形の挨拶をしていて、相手が手を出した場合、これは古くは臣下の礼を取ることを求めたものであることから、この場合は正規の挨拶をして、手にキスをして返すことが望まれていると理解した方が良い。
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コミュニケーションに措いて、違う民族、国家で全く同じ語彙を持つ行動と言うものは無く、同じ挨拶でも日本のお辞儀と、欧米の握手ではその表す所は近くても、もともとの発生基盤が違うことから、本来同列のものではない。
だから日本で握手を考えるなら、それは挨拶と言うよりも、積極的に関係を持ちたいと言う気持ちを表す別の手段であると考えた方が良い。
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これは握手そのものが本来は目上の者、例えば上司や年齢が上の者から、下に対して最初にアクションが行われるものであることを考えるなら、その発生基盤はやはり王侯貴族から下々の者への配慮として始まったように見えるからだが、方や日本の挨拶は、どちらかと言えば、下から上に対して行われたのがその発生基盤だと思うからである。
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従って握手は基本的に上の立場から下の立場の者に対して、先に手を出して求めるのが正しく、この逆で下の立場の者が上に対して握手を求める場合は、「握手して頂いてもよろしいですか」などの言葉が先に無いと、厳しい意味では非礼なことになってしまう可能性もあるように私は思う。
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そしてこうした意味では日本人の握手は、何度もお辞儀したりと言うケースが多く、見た目には非常に従属的な感じを受けるかも知れないが、実は日本人は握手だけでは初期の挨拶として不足していることをその文化的背景に持っているため、こうなるのであり、私はこれはこれで良いように思う。
なぜなら国際社会はどの国でも英語を通して文化的浸食を受け、その中で英語文化を自国文化的に変えていく動きを持っている。
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即ちローカルな文化だったものが、英語と言うグローバルなコンテンツの中で、世界的な理解を得る機会が発生してくるのであり、こうしたことから欧米文化の中に僅かな特色を残すローカルコンテンツは、場合によってはいつの瞬間でもグローバルに踊り出るチャンスを取得するからである。
英語文化はグローバルであるが故に、それは限りなく変質を許し、基本的なものを失って行くが、片方でそのグローバルに浸食されたローカルは、そのグローバルによる浸食故に、ローカルをグローバル化するチャンスを得る、つまり握手しながらお辞儀もするスタイルが、いつか世界基準になる可能性もあると言うことだ。
コミュニケーション、言語とはまことに面白いものだと思う・・・。
T・asada
このブログの記事は「夏未夕 漆綾」第二席下地職人「浅田 正」 (表示名T・asada)が執筆しております。

1件のコメント

  1. 「自分に撃たれる」

    最近は、人を轢き殺してからでも、ブレーキとアクセルを踏み間違えたのに、車の所為にし、立体駐車場や川べりの駐車場から、踏み間違えて、急発進して低所に落下して、死ぬ奴までも居るが、死人に口なしでは有るが、原因はハッキリしている。

    それ以外に後ろ向きに駐車しようとして、窓から顔を出してとか、特殊なモニターを見ながらでは無く、ドアそのものを開けて、後進して、ハンドル操作を間違って、態勢が崩れて急加速したり、落下して自分が運転する車に引かれたり、ドアが壁や柱にぶつかって、自分が運転する車のドアに挟まって死ぬ奴まで居る。
    ハインリッヒの法則で、軽微な危険が一回も無かったとは到底想定できず、危険な目に遭っても習慣を変えられないバ〇は多い。憲法9条がそうでない事を、期待している(笑い)

    ショットガンでも可能かもしれませんが、貫通銃創なら、どちらかと言えば、ライフルの方が相応しい。

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