「事務総長の解任要件」

国際連合事務総長の任期は国連憲章に規定されておらず、解任要件も規定されていない。

 

従って事務総長に不正や恣意的言動の有った場合、アメリカなどが採用している方法は国連負担金の遅滞、或いは改善されるまで納付拒否、または無視して自国の方針を貫徹するなどの措置を採っている。

 

国連事務総長の選出はアメリカ、中国、ロシア、イギリス、フランスの常任理事国と、その他の10ヶ国の非常任理事国で構成される国連安全保障理事会で候補が選任され、国連総会で任命されるが、5ヶ国の常任理事国の内一ヶ国でも拒否権が発動されれば成立しない事から、事実上事務総長の選任は常任理事国がその決定権の多くを所有している。

 

 

また任期は特に定められていないものの、事務局の慣例として1期5年と言う期間が存在し、通常2期10年と言う形式が採られるが、事務総長の任期が長いと不正の温床となり易く、選任された事務総長の出身地域に特定の利害が発生する事を恐れ、3期連続の選出は認められていない。

 

もっともこの3期が認められないと言う形式も絶対的なものではなく、第4代事務総長「クルト・ヴァルトハイム」が3期事務総長を続けようと希望した時、中国が拒否権を発動して阻止した経緯から慣例化したものであり、この意味では通常2期10年と言う形式が一般的になった。

 

しかし第6代事務総長の「ブトロス・ガーリ」(エジプト)が2期目に就任しようとした時、アメリカが拒否権を行使してこれを阻止、2期10年と言う任期はこれにより慣例として成立しなくなった。

 

だがこうした経緯を見ていくと、国連の意思最高決定機関は安全保障理事会、常任理事国会議に存在している事から、ここで決定されれば任期が阻止されたり、或いは認められたりと言う事が容易に行える事を鑑みるなら、事務総長の任期、解任要件は安全保障理事会召集動議にて採決を行える可能性が存在している。

 

つまり国連憲章に違反する国家に、制裁を課すことが出来る決定権が安全保障理事会に存在している以上、内部の不正に相当する事務局長の不正に対しても、安全保障理事会の動議は可能と見るべきであり、事務総長は必ずしも国連の全権ではない。

 

幾つも存在する国連機関の有力機関の一つに過ぎない。
国連事務局と言う機関のトップだと言うだけの事であり、これを裁定する責任は国連安全保障理事会に有ると考えて良いだろう。

 

日本と韓国の関係が悪化した原因は「李明博」(イ・ミョンバク)前大統領が、自身が犯した身内の贈収賄事件から韓国国民の目をそらす為に行った竹島上陸、天皇に対する謝罪などに代表される嫌日機運の扇動に端を発しているが、こうした結果発生してきた日本に措ける嫌韓運動は差別スピーチにまで過熱し、これに対してすこぶる手際良く国連人権委員会から日本に対する抗議が行われた。

 

だが一方、日本の産経新聞ソウル支局長がウエブサイトに掲載した朴槿恵(パククネ)大統領の記事に関して、韓国が名誉毀損を名目に産経新聞支局長を出国禁止措置にし、起訴するとした件は明確に報道の自由に対する侵害であり、同記事は朝鮮日報などに掲載された記事を抜粋したもので、他の海外報道機関も似たような記事を発信しているにも拘らず、日本の新聞社だけが検察当局に出頭を求められる事は国家、国民によって報道の自由が制限されている現状を発生させていると言え、これに対して国連の人権委員会は全く無言と言う事態は異様である。

 

報道上日本人が差別を受け、明確に国連憲章に違反する行為が韓国で為された事は、日本に措けるヘイトスピーチなどと比較できない国際的な問題である。
国連人権委員会は早々にこうした報道の自由の侵害行為、人種差別を止めるように声明を発表すべきではないだろうか。

 

韓国の人権はいち早く擁護され、日本人の人権はその韓国によって制限を受けている実情は、国連の恣意性を疑われても仕方のない状況と思う。
潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は、どう考えても出身国で有る韓国に有利な言動を採っていると疑われても仕方がなく、日本はこの事を強く抗議するべきだ。

 

国連人権委員会に産経支局長の救済を申請し、速やかに出国できる措置が採られるよう働きかけ、それで国連が動かなければ、日本は少なくとも負担金の拠出を拒否すべきだ。
日本国はそれくらい言えるだけの国際貢献をしているし、他国民の人権にも配慮している。

 

潘基文事務総長は中東情勢に対しても何の調停も行っておらず、イラク情勢を始めとするイスラム勢力との対立に対しても何のビジョンも示していない。
またかねてより中東諸国からは「二枚舌」と呼ばれて信用されていない。

 

加えて日本と韓国が竹島を巡って対立した時、韓国側に立って日本を批判した経緯もあり、国連の私物化を疑われている。

 

アメリカを通して安全保障理事会の開催を要請し、国連の平等性の観点から解任の動議を提案した場合、これが通らなくても日本は国連事務総長に圧力を加える事が出来、尚且つ次に何か有った時、この日本の方法が事務総長解任手法慣例化の一歩に繋がる可能性が有る。

 

元々組織トップの解任手法が無いと言う事は、その影響力が傀儡で有る事を示してもいるが、少なくとも国連と言う世界機関にトップの解任手法が存在していない事は異様である。
韓国政府は、今回の産経新聞支局長の対応を誤ると世界のメディアを敵に回す事になるかも知れず、世界の報道機関からはその韓国人国連事務総長の沈黙に対しても、疑問の声が上がり始めている。
[本文は2014年9月3日、Yahooブログに掲載した記事を再掲載しています]

 

T・asada
このブログの記事は「夏未夕 漆綾」第二席下地職人「浅田 正」 (表示名T・asada)が執筆しております。