「コンビニ袋と男」

夕方・・・、と言っても既に日はとっぷり暮れて、商店街の灯りも少しずつまばらになっていく頃、人通りもすっかり少なくなった道路をコンビニ袋を提げて歩く男の姿は、老いも若きも皆、少し肩をすぼめて歩いているようで、これで小雨でも...

「重複集合社会・オランダ」

2の倍数が集まった集合A群と、3の倍数が集まったB群、そして5の倍数が集まったC群はまったく接点が無いかと言うと、2と3を掛け算すると求められる6から、その6の倍数12、18、24と言う具合にA群、B群は次々と同じ接点を...

「土下座」

  「おい何だ、そのすだれみたいな頭は、そんなんで前が見えるのか、椿油でも塗って前髪は上げておけ」 「自眠党の幹事長が来るんだぞ、車はセドリックぐらいじゃだめだぞ、灰金建設からプレジデントを借りて来い、あー、話...

「報道に対する最も適切な対応」

かなり前のことだが、いつも遊びに来る某○営放送の記者が、よほど記事がなかったのか、家へ立ち寄り、何か面白い記事がないか・・・と言うので、たまたま少し知り合いだった公共施設の館長に電話したところ、何やらイベントをやっている...

「黒いストッキングの女」

1980年代、ある日のポーランド、ワルシャワ。 この数年前に旅したときはソビエト(現在のロシア)も、このポーランドもひどいものだった。 レストランがあって、やっと入ることができても、1時間以上待っても誰も出てこない、こち...