「合板の普及」

木は人間に良く似ている。 同じヒバ材の亜種「あすなろ」にしても、傾斜がなだらかで日当たりの良い場所に有る木は成長も早く、50年もすれば直径が50cmにもなるが、急な斜面の、土地のやせた所に有る木は成長が遅く、同じ50年経...

「食の意味」

「食」と言う漢字は倉庫に集められた良い穀物の「集」、穀物の良い香りの「香」の合字で、意味は代表的なものだけでも20以上存在し、一つの「観」を形成し得る広い範囲を持つ漢字だが、一般的に我々が認識している「食べる事」以外にも...

「漆が死ぬ」

どんな塗料にも使用以前の液体の状態で起こる劣化と、それが塗布され乾燥した後から始まる2種の劣化が存在するが、漆に措ける塗布以前の劣化は乾燥と非乾燥の相反する劣化が有り、漆は乾燥硬化しても使えないが、逆にいつまで経っても乾...

「漆芸技術の自己相似性」

古典チベット漆器の技法で、陶芸の「手捻り」(てびねり)の一種と同じ様式の技法が有り、漆に膠(にかわ)を混ぜでそれを粘度くらいの硬さに調節し、ちょうど古典的な素麺などの麺類を製造するときと同じように、手で押して転がし乍細い...

「漆黒」

カラーチャートの黒は「#000000」と表示され、これは色の3原色を混ぜた状態、全ての光の波長を吸収し反射率が0の「状態」を言い、このようなものは地上に存在しない。 従って漆器で言うところの「漆黒」は、正確には「黒」では...