「あきさめよー」

「何だよ、酒ばっかり飲んで・・・見てるだけで腹が立つんだよ」その小柄な男は大柄で、どっちかと言うとごっつい感じの男にそう咬みついた。 「うるさい、お前に何が分かる」ごっつい感じの男は普段は温和で、穏やかな男だったが、この...

「正法眼蔵・古徳」

まず表題の「正法眼蔵」・・・これの読み方だが、(しょうほうげんぞう、またはしょうぽうげんぞう)と読み、この教えは道元の仏法の集大成と呼べるもの、その奥義について書かれている・・・これは一般の我々がいきなり学ぶには余りにも...

「死神」

徳川夢声・・・と言って知る人は少なくなったかもしれないが、この人は話術の大家だったが、同時に怪しい話にも通じていて、裏ではそうした話の大家でもあった。 この徳川夢声が面白い話をしていたことが記録にあったので、今夜はそれを...

「ノアの箱舟」

1872年・・・バビロニアの都ニネヴェの遺跡が発掘されたとき、偶然、古代王室の図書館跡が発見されたが、内部には楔形文字を刻んだ粘土板がぎっしり納められていて、発掘に当たった考古学者、言語学者たちは歓喜の声を上げた。 さっ...

「名月を取ってくれろと・・・」

私は母親に背負われた記憶が無い・・・。 勿論甘えたことも無ければ、何かで手を引かれて・・・と言う記憶もない。 農業や炭焼きで忙しい父や母はいつも家にいなっかた、その代わり祖母がきっと幼い私を見てくれていたのだろう・・・祖...