「赤い茗荷」

そんなに驚く程のことではないが、少し変わったものを見た・・・、と言う連絡が留守番電話に入っていたので、今夜はその話をしておこうか・・・。 連絡してくれたのは能登地方に住む74歳の男性だが、たまたま昼間は稲刈りで留守にして...

「月夜の怪」後編

そうか・・・、これが海の不思議ってやつかもな、木村君は先輩の乗組員から常日頃航海中にはいろいろ不思議なことが有る・・・と聞かされていたので、てっきりこうした女の声もそう言うものに違いないと思ったが、その女たちの声に混じっ...

「月夜の怪」前編

富山県押川に住む中川武雄さん(仮名)の長女、芳江さん(19歳、仮名)が東京へ行きたいと言い出したのは、ちょうど1年半前のことだったが、初めはなれない都会暮らしを心配した中川さん夫妻、一度は反対しては見たものの芳江さんの意...

「地方分権の奈落」

朝、目が醒めて何気なく自室の机を見たら、その上に缶コーヒーが置いてあったが、そうだった昨夜飲み切れずに半分ほど残したものだった・・・、大したことはなかろうと手に取りチビチビ飲んだが、最後の一口を飲んだら口の中で何かおかし...

「赤い楯の紋章」

1904年2月8日、日本海軍の仁川、旅順におけるロシア艦隊への奇襲攻撃に始まった日露戦争、その戦費として調達した17億1600万円では、戦争継続は長くて1年しかなった。 だがこうした17億円余りの戦費も、そのかなりの部分...